2021-05-21
株式会社ペイミー
2021-05-21

給与前払いサービス「Payme(ペイミー)」を運営するメンバーの多くには、給与前払いが世の中に必要だと感じる原体験があります。そんなペイミーが向き合う給与前払いの世界を、ペイミーで働くCOOの関根さん、カスタマーサクセス/人事の門野さんに伺いました。


給与前払いサービス「Payme(ペイミー)」
https://payme.tokyo/

この記事に登場する人
関根 江里子
(Eriko Sekine)
門野 妹
(Mai Kadono)
取締役COO。大学在学中に人材派遣事業の立ち上げ後、大手SaaS企業でマーケティング業務、スタートアップ企業にてカスタマーマーケティングの立ち上げを経験。2020年2月にペイミーにカスタマーサクセスとして入社し、2020年10月より事業責任者を兼務。2021年1月より取締役COO。
カスタマーサクセス。BtoBの受発注プラットフォームのスタートアップにてカスタマーサクセス及び人事業務を経験後、2020年4月にペイミーにカスタマーサクセスとして入社。ペイミーでは採用およびコーポレート周り全般も兼務。

ペイミーで働く私たちの、"お金がなかった" 時代の話

ーー 給与前払いという事業領域に関心を持った理由は何故ですか?

門野さん: 給与前払いは、私にとってはとても身近な領域で。私たちだけじゃなくて、ペイミーで働くメンバーの共通点のひとつに「お金にまつわる苦労話」があって。

ーー 例えばどんな話ですか?

門野さん: 私の場合、学生時代は自分で学費を支払いながら留学の費用を貯めたり、かたや留学から帰ってきたら家がなかったりで、生活費に充てられるお金が常に不足していたんですよね。日銭を稼ぐために工場でアルバイトしたり、スナックで働いてお金は前払いしてもらったり、今のペイミーの事業に共感が高い学生生活を送ってたんですよね。

ーー 社会人として働き出した後も、そのような状況は続いていたんですか?

門野さん: 新卒時代に引っ越したタイミングなんかはしんどかったですね。新卒だとそもそもベースが低いですし、引っ越しのための頭金を貯めないとダメで。給与のベースが低い業界だったりすると、この感じは社会人になっても残っちゃいますよね。

ーー 関根さんも似たようなエピソードをお持ちなんですか?

関根さん: 私も学生時代はお金がなくて。必要な費用は全て自分で払っていたので、大学に入った段階で学費、生活費、家賃を払うみたいな感じで。勉強会やイベント等に参加するためにインターンやアルバイトを休んでしまうと、貯蓄がほぼゼロなのでクレジットカードを使うしかありませんでした。

ーーペイミーで働くメンバーと共通していたエピソードなどはありますか?

関根さん: 例えば大学にかかる費用を親に負担してもらってるなど、金銭的余裕がある学生と私たちとは環境や考え方が違ったんですよね。遊びに誘ってもらえなくなるから「お金がないから行けない」って言えなかったりで。学生時代は、「お金がない」ってことを言えない事自体も辛かったですね。この「お金がなくて行けない」ということを理解してもらうのも難しくて。

「借金するのは怖い。でも、前払いなら。」

ーー ペイミーはどのようなシーンで利用されていますか?

関根さん: 大きく2つのパターンに分けられます。ひとつは、目の前の生活費に利用するというもの。もうひとつは、突発的な出費を補填するようなパターンです。前者は、生活自体が自転車操業的になってしまっているものの、あくまでも "働いた分" の中で生活費を安定させていきたいといったニーズです。後者は、"税金の徴収"など貯蓄がない中で想定できなかった出費に対して支払う手段としての利用シーンです。

ーー キャッシングやクレジットカードなどではなく、給与前払いを選択される理由は何なのでしょう?

関根さん: キャッシングやクレジットカードは "借金" と似た性質があり、あとから返済する必要があります。そのため、お金に困っていればいるほど負債を気づかないうちに溜め込んでしまいます。しかし、前払いは働いた分の給与に限って使うことができるため、健全に不足分を補填することができます。そのため、「借金せず、働いた分を先に使いたい」という方に選んでいただいています。

ーー ちなみに、どの程度の期間、給与の前払いをされる方が多いのでしょうか?

関根さん: 毎月使い続ける人よりは、数ヶ月利用して "卒業" されていく方が多いですね。

Paymeを導入するメリット

Paymeを導入するメリット

ーー 前払いはポジティブな面が多いように感じましたが、多くの事業者にとって給与前払いの実現はなぜ難しいのでしょうか?

関根さん: 法律上は、前払い自体に何の問題もないですし、難しいことも少ないです。ただ、色々面倒なことが多くて。

ーー 具体的にはどのようなことでしょうか?

関根さん: 例えば、一般的な給与支払いは月末締めの翌月25日払いとかだと思いますが、全従業員に対して同じ日付でお給料を支払わないといけない決まりは無いわけです。ただ、実際の振り込み業務としては日付が揃っている方が便利ですよね。あとは、会社のキャッシュフロー的にも翌月25日等のほうが良かったりで。他にも前払いにした場合の振込手数料をどうするだとか、何日分までなら前払いを許すか等、給与前払いを実現するために考えたりすることが多いんですよね。

ーー 実務面の面倒さ以外にも、前払いの導入におけるハードルはあるのでしょうか?

関根さん: 正直なところ、私たち20代は生まれてからずっと不景気なので、貯金ができるほど潤沢にお金を稼ぐのが難しいと思っています。なので、愚直に働いていても貯金ができなかったりするんですよ。けれども、バブルをご経験されている経営者やオーナーの方々ですと、20代の頃はボーナスで車を買ったり時計を買ったりと、貯金しつつ、自由にお金を使えるお金も十分にあったと伺うことが多いです。つまり、上の世代と今の若い世代では、お金の稼ぎ方への捉え方が全然違っているんです。上の世代からすると「前払いを必要とするなんて、生活がだらしない」と。この考え方の違いの部分が、給与前払いの導入におけるひとつのハードルになっていると感じています。

Paymeを利用する場合のフロー

Paymeを利用する場合のフロー

年々激化する給与前払いを取り巻く事業環境のなかで、ペイミーはどう戦うか

ーー 給与前払い事業を取り巻く環境はどのような感じでしょうか?

門野さん: 最近は資本の大きい会社の競合が沢山出てきていて、領域として盛り上がってきた反面、事業の難易度はどんどん高くなっていますね。

ーー 事業を進められる中で、どのような点に難しさを感じますか?

門野さん: ペイミー自体はFinTechであると同時に、HR向けのSaaSでもあるんですよね。そのため、両方ともやらないといけない分、ビジネスとしての難易度がそもそも高いと感じています。また、2020年12月の体制変更などもあり、SaaSやFinTechの勝ち方を知っているシニアなメンバーも少なくて。今は若手のメンバーが中心ということもあって、メンバーひとりひとりの実力の底上げも必要だと感じています。

ーー 若手中心のメンバーで事業をすすめる中で、工夫されている点はありますか?

関根さん: 適材適所ということは意識しています。誰しも得意な領域はありますが、苦手なところにアサインされてしまうと、双方にとって辛くて。そうではなくて、得意なところをメインでやってもらって、それ以外の部分は他のメンバーと一緒にやっていくようなアサインの仕方をしています。

ーー 2021年4月にバリューの変更も行われました。ミッションやビジョンは変更せず、バリューのみを変更するというのは珍しいと感じています。これはどのような背景からなのでしょうか?

関根さん: 2020年12月に代表取締役の変更を含む大幅な体制変更を行ったのですが、当初はそのタイミングで、ビジョン・ミッション・バリューの全てを変更しようと考えていたんです。とはいえ、よくよく考えてみると、目指す方向が大きく変わるわけでもないなと。また、ビジョンやミッションに共感して入社してくれたメンバーが大半だったので、そこは変える必要がないなと。

ーー なるほど。とはいえ、チームの在りたい姿は変わったと。

関根さん: そうですね。体制変更前後で、チームのスタンスは変わったと多くのメンバーが感じていました。ですので、ビジョンやミッションという目指す方向は変えなくてもよいものの、行動指針は変えてもよいのではとなったんですよね。

ーー ちなみに、バリューの変更は誰から出てきた話だったんですか?

関根さん: 今の代表からですね。組織として「ちゃんと結果を出す」だとか「事業計画と向き合う」というカルチャーに変えて行きたくて。あとは、本質的な成長を遂げていく上で、「これまで評価されてきたものが新体制では評価されなくなった」と感じられてしまう、成長痛ともとれる場面がありました。この成長痛を全員が納得して進んでいくためには、新体制では "何を評価軸にしていくのか" を明確にしていく必要があると感じ、バリューの変更を決定しました。

“変えられない部分” ではなく、今できることに目を向ける

ーー 体制変更によって実務面で困ったことはありますか?

関根さん: 実は、体制変更によって、ペイミーの過去の意思決定を知るメンバーがいなくなってしまったんですよね。それゆえに、過去の意思決定が追えないという辛さがあって。

ーー 過去の意思決定が追えないというのは、すごく大変なことですよね。そんなときはどうやって乗り切っているんですか?

関根さん: 冗談みたいな話なんですが、体制変更した当初でいえば、「なぜ存在するのかわからない機能」なんかが沢山あって。なので、当時の状況を想像しわずかなドキュメントを頼りに背景を整理して、マイナスからゼロにしていくところを真っ先に取り組んだりしていました。それがやっとフラットになってきたのがここ最近といったところです。

ーー 門野さんの視点ではいかがでしょう?

門野さん: 体制変更によってエンジニアの人数が少なくなったこともあり、いかにしてエンジニアさんの工数を使わずにこの場を乗り切るか、といったことを常に考えていましたね。

ーー 例えばどういったことですか?

門野さん: 過去に開発した、他社の勤怠システムとの連携仕様がわからないことがあったりで。ここはもうしょうがないので、カスタマーサクセスの方で連携先の会社さんに仕様を聞きに行ってヘルプページにまとめ直したりしていましたね。

ーー なるほど。もう、しょうがないですよね。

門野さん: ですね。私たちが知りようもないことに対して悪く言ったとしても、今が変わるわけじゃないですからね。

ーー 最後に、どんな人と一緒に働いていきたいですか?

関根さん: 過去の "変えられない部分" を変に考えすぎずに、前向きに考えられる人と働いていけたら良いなと思っています。あとは、自分の業務内容に対して夢中になっている人がいいですね。インサイドセールスだったら架電しまくって絶対に結果を出す、みたいな人だったり。特定の領域をやりきった人がいると、チームにとっても刺激になりそうですよね。

門野さん: 今のチームには、ペイミーの事業領域に原体験を持つ人が結果的に残ってるんですよね。苦しいときに耐えられる理由って、そんなことだよなと思うので。加えるなら、今のカオスさを楽しみに変えて、前向きな未来の話ができる人だと嬉しいですね。

この記事を書いた人
koyo
bosyu / bosyu Jobs / Jobs Primeのプロダクトマネージャー。プロダクトについての薀蓄を語ったりするのが得意。だいたいヴァーチャルの世界で生きています。
新着記事
EC化の地殻変動が進む BtoB決済領域分析レポート
2021-06-07
「”お金がない”って周りに言えなかった」ーー自分ごとだからこそ、真摯に向き合える。給与前払いとペイミーと、私たちの話。
2021-05-21
株式会社ペイミー